サガスカをプレイしてください
サガシリーズ最新作の『サガスカーレットグレイス』。その良く言えばパワーアップ、一部の人が眉をひそめる言い方をすれば完全版にあたる『サガスカーレットグレイス 緋色の野望』。これがすんごく面白い。
元々Vita版で出た無印は買って面白いなーって思ってだけどやっぱりロード時間がネックなのと当時色々忙しい時期だったのでバルマンテ編の途中で辞めっちゃったわけなんですが、そのリベンジを果たすため、そしてシリーズへの御布施も兼ねて購入。
で、盆の休みを利用してウルピナ編を先日クリア。そして現在は2週目のレオナルド編をプレイ中である。
最近はゲームに対する興味が昔に比べて薄れてしまい、本筋をクリアしたら周回プレイといったやり込みをせずそのまま終了…ってことが多かったんだけどこのゲームはクリアしても良い意味で心が満たされなくて迷うことなく2週目を始めることができた。
正直言うともっと評価されて欲しいゲームなんで、このゲームの魅力と自分が琴線に触れた部分をざっくり紹介したい。
〇無駄がない
このゲームは以下の要素がない
☆戦闘終了後のHP及び状態異常の持続
★町やダンジョンの探索要素
★戦闘時に使うアイテム(傷薬等)
上から2つの☆については過去のサガシリーズから取り入れられている。
ロマサガ2からは基本戦闘終了後にはHPは全快し状態異常も回復するようになっている。
そして下2つの★についてはサガスカの特徴である。
従来のサガシリーズではワールドマップから町やダンジョンを選択し移動するファストトラベル制度であったが、今作では逆にワールドマップを歩き町やダンジョンのシンボルに触れるゲーム性になっている。
街では鍛冶屋(武器強化)や会話イベント、ダンジョンでは戦闘が発生する。
そしてこのゲームはエンカウントというものが存在せず、一部を除きこのシンボルを触れることでしか戦闘が発生しない。
従って散策をしたいときは戦闘が発生しないシンボル(街や神殿など)に触れ、戦闘をしたいときはダンジョン系のシンボルに触れればいい(当然シナリオを進めるには戦闘が発生するシンボルからは避けられないのだが)
勘違いされがちなのだが街やダンジョンがイベントを発生するシンボルになったからといってこのゲームは探索要素がないわけではない。ワールドマップを歩けば街が海賊に襲われたり大穴が空いて大蛇が出てきたりガスが噴出してる岩に触れたら火山が噴火したりダムが崩落したりとその都度イベントが発生する。そのイベントに絡むかはプレイヤー側の自由だ。今後の展開に影響するものもあれば5分程度でさっくり終わるイベントもある。このゲームはそのようなイベントが数えきれないほど発生する。
サガスカに関していえばワールドマップそのものが巨大なダンジョンそのものである。最初ワールドマップをみて「ちっちぇ~な~」って思ってもその1エリア1エリアにイベントが詰め込まれているので全部を網羅しようとするとかなりボリュームがあるだろう。
〇戦闘
戦闘システムはシリーズからみてもかなり独特になっていて特徴として
①ターン開始時に画面下に敵と味方の顔のアイコンが並び、左から順に行動するタイムラインシステム
②パーティはBPという共通ポイントで技や術を使う。何もしないものは防御を行う
③敵の行動はすべてみることできる
④ただし敵の攻撃のターゲットまでは不明
⑤技には斬・突・打属性が存在する(冷・熱といった術で多用する属性もあるが割愛)
⑥通常術技に加えリザーブ技が存在する
⑦リザーブ技にはインタラプト技、カウンター技、プロテクト技の3種類がある
⑧インタラプト技は敵の斬・突・打属性のいずれかの技に反応して、対象の敵の直前に割り込む
⑨カウンター技は敵の直接攻撃を無効にして攻撃してきた敵の直後に割り込み反撃を行う
⑩プロテクト技は味方を対象にしてその味方を敵の攻撃から守る
⑪敵がリザーブ技を使うときは「???」と表記されインタラプト、カウンター、プロテクトのどれを使うかはわからない
⑫戦闘中味方及び敵が戦闘不能になった時に味方と味方、あるいは敵と敵のアイコンがタイムライン上で並んだときに連撃が発生する
⑬戦闘不能になった場合、その戦闘では回復できない
そんなこと言われてもわからんってなるので動画を見た方が早い。
「動画みてもわかんねーよ」となるから説明すると
0:08~ プロテクト技で他の味方へ行くはずの攻撃を代わりに受ける(「みがわり」と表示されたらプロテクト技発動)
0:12~ 敵の攻撃で戦闘不能発生。味方のアイコンが並び味方の連撃発動
0:18~ 味方の攻撃で戦闘不能発生。敵のアイコンが並び敵の連撃発動
0:23~ 敵の攻撃で戦闘不能発生。味方のアイコンが並び味方の連撃発動
と「戦闘不能」がトリガーとなって連撃が発動する。
もちろん
敵 味方 敵
の並びで敵の真ん中にいる味方が戦闘不能になり
敵 敵
となった場合も敵の連携は発動する
そのためタイムラインの並びは戦闘においてとてもとても大事で、コントロールができたら戦闘が楽になりそうでなければ致命傷を受けることになる。
そしてタイムラインをコントロールする為に⑧のインタラプト技が重要になってくる。
この動画の場合、コマンド決定までは
敵 敵 味方 味方 味方 味方 味方
の順で並んでいたのでこのままだと連撃を行えなかった。
しかし敵の打属性の技に対して味方のインタラプト技が反応して敵の行動直前に割り込んだ。
これにより味方と味方に挟まれた敵ができあがりその敵を倒すことで連撃が発動できた。
タイムラインをコントロールしやすい技としてはインタラプト技の他にバンプを発生させる技を使うといった手段もあり、バンプが発生する攻撃を受けるとその者の行動を遅らせることができる。それによりタイムラインの調節ができて連撃を発生させやすくなる。
ただし連撃を狙うことだけ考えてバンプやインタラプト技を使ってタイムラインを調整してると敵にもチャンスを与えることになり大打撃を受けることもある。
当然インタラプト技やカウンター技もインタラプト技の対象となる。これを利用してあえて敵のインタプラトを技を利用して味方のインタラプト技を発動させ敵を仕留めるといった戦法も取れる。⑪で敵のリザーブ技はわからないと書いたが、その辺はゲームをやって死にながらインタラプト技を覚えていく。
⑧でインタラプト技はいずれかの属性に反応すると書いたが、斬・打・突のすべてに対応するインタラプト技を持つ敵は存在しない。そのため相手が反応する属性がわかっているのならば、リザーブ技を構えたところでその属性の技を使わなければ問題はない。ただしそれがインタラプト技でなくカウンター技の場合は反撃されるが。
そしてリザーブ技は間接攻撃で解除できる。間接攻撃は弓での単体攻撃、長剣、小剣、槍、大剣の一部の技で使える。解除した後はそのターンは待機となりリザーブ技は発動しない。
ただし大剣の「地走り」などを除いてほとんどの関節技は突属性であることが多く、当然突属性に反応するインタラプト技も存在する。その場合はリザーブ解除より先にインタラプト技が発動する。
今作にもサガシリーズで御馴染みの閃きシステムは存在する。地味に嬉しい点として今作は技を使ったあとに追撃として閃いた技を使ってくれるのでこれによって殺し切れることもある。
それに加え今作の閃きはいつものサガシリーズとは異なり
・同じ武器種でも武器によって閃く技が異なる
・閃き累積値なるものが存在し、BPを多く消費する技を振るほど閃く確率が高くなる
前者に関しては強い武器を装備すると強い技を閃くという考えでいいが、武器に閃きタイプという項目があり大剣のパワータイプなら火力技、標準タイプならプロテクト技などを閃く傾向がある。
後者に関しては強い敵相手に通常攻撃で素振りをして強い技を閃く行為に作業感が出てしまう対策なんじゃないかなと考えている。当然敵のランクも閃きに影響するが、ひらめき累積値によって深く考えなくても技は閃きやすくなってる。
そして技を何回か使ってるとランクアップをする。ランクアップをすると消費BPが減るなどのボーナスがある。ちなみに最大ランクはⅢだが武器使用者の武器レベルが一定まで行かないとそこまで達しない。
技のランクボーナスに加え先述した連撃発生時にもBP消費ダウンボーナスが発生する。これも武器使用者の武器レベルが高いとボーナス量がアップする。
序盤は大技を覚えてもあまり振る機会がないが、終盤になるとランクアップや連撃時のBP消費ダウンにより連撃時のリターンが増え、次のターンには大技を連発できるようになる。
戦闘システムについては他にもあるのだが特徴をざっくり説明するとこんな感じである。
「色々考えること多いなおい」みたいな感想を持つかもしれないが、その通りであり全ての戦闘でこれを意識しないと全滅を繰り返すばかりである。
そのためサガスカというゲームは人を選ぶゲームになっているが、戦闘が作業になることが少ないためRPGに戦闘を求める人にとってはこれ以上になりゲームになってると思う。
確かに低予算感は否めない。なんで街やダンジョンが歩けないんだって思うかもしれない。
でも、よく考えて欲しい。街やダンジョン歩いててそんなに楽しいか?と。
自分が最近ゲームやってて思うのは無駄に広いフィールドやダンジョンを歩いてても面倒としか感じられなくなってきたからだ。
どうせ街に入ってもやることはショップに行くか住人との会話だ。ダンジョンに入ってもやることは戦闘だ。
だったら街で住人を探す過程なんて省けばいい。ダンジョンに入って敵とエンカウントする過程も省けばいい。サガスカはそういった作りになっている。
さらに言うとテキスト量は少ないわけではなく、サガシリーズ全体からみて今作はかなり多い。そしてテキストからはいつものサガを感じる淡々とした狂気がある。
今作はPS4、switch、iOS、andoroid、steamと幅広く展開されている。
どうせこんな場末のブログを読む人間なんて限られてるだろう。それでもこの記事を読んだ誰かがサガスカを手に取ってもらいたいと思う。
もしかしたらクソゲーだって言うかもしれない。10人のうち9人がそういうかもしれない。それでもいい。とにかくプレイしてほしい。